森と森林公園(首都圏)
四季の森公園の風景と散策路
谷戸の暮らしと風景
関東平野は、すべて平地で成り立っているわけではなく、なだらかな丘陵地帯が少なくありません。そのような丘の上には雑木林や畑があり、細長く入り組んだ谷間、湿地には水田がならぶ風景がみられました。この谷間・湿地の事を神奈川県、東京から埼玉にかけての地域では「谷戸」と呼ばれます。これは千葉から茨城にかけては「谷津」と呼ばれたり、東北・北海道では「谷地」と呼ばれます。
県立四季の森公園では、雑木林に囲まれた低地が北口広場から一望でき、進むにつれ池、草原、湿原、そして谷戸の暮らしを支えた水車小屋、炭焼き小屋などがあります。その風景を写真を添えて紹介します。
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はす池
はす池にはコイがたくさんいて、カメもいます。コイが寄ってきますし、カメも泳いでいたり、岩の上で日光浴をしたりしています。
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春の草原
春はナノハナ、秋にはコスモスが咲き、小川が流れる美しい草原です。
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あし原湿原
湿原にアシが広がり、春はアカガエルが鳴き、野鳥の隠れ場所にもなります。初夏はホタルやトンボなどの姿も見られます。アシは「悪し」につながるとのことから、逆にヨシ(良し)とも呼ばれます。鳥や水棲植物の住み家や隠れ家になり、環境を維持する大切な植物です。古来より葦簀(よしず)や葦舟、茅葺き屋根の材料に利用されてきました。古くは日本の事を「瑞穂の国」や「葦原の中つ国」といっておりました。古事記に記されている古代には日本はアシに覆われていたのかもしれません。
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「わたしたちはほたるです」の案内板があり、ホタルの住み家と生活を紹介しています。
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上の池
沼地のような所ですが、ホタルの住み家でもあるようです。
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里山花壇
北口から蛍川橋渡ったところに「里山花壇」の案内板があります。里山花壇は10数年前にコナラ等の落葉樹を伐採したエリアで「里山林」と呼び、ヒトリシズカなどの自生の絶滅危惧種やこの公園からは消えてしまい県内の野山でも数が減少している野草(カタクリ、エビネなど)を人工植栽して自然を学ぶ野生植物園の機能を持たせて「里山花壇」と呼んでいます。
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水車小屋
この水車は実際に水の力で回っています。小屋の中には挽き臼(ひきうす)が一つと搗き臼(つきうす)が二つ水車の力で動いています。この公園の周辺でも昭和30年ごろまでは多くの水車が使われていて、揚水・精米・製粉・わら打ちなどの作業に利用されたそうです。
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炭焼き小屋
実際に炭焼きが行われるときには見学できるそうです。炭焼きは里山のコナラ・クヌギ・ヤマザクラなどを伐採して炭を作って利用するとともに、里山の雑木林を更新することにも役立っていました。
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しょうぶ園
梅雨の時期になると、深い緑に囲まれた谷戸に約4,500株のハナショウブが咲き競います。菖蒲田の中に板張りの散策路があり、ショウブを身近に見ることができます。
井戸があります。飲用には出来ませんが、水は出るようです。
水田
近隣小学校の児童が田植えから稲刈、晩秋の餅つきまで、一年を通した体験型学習を行っています。