森と森林公園(首都圏)
散策:谷戸コース(約30分)
園内散策:谷戸コースは公園マップ上赤色の点線で示されています。はす池の周囲を中心に、谷戸の風景と暮らしを感じながら散策します。北口広場から出発します。
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右手に向かい、板張りの路を進んでいきます。左手にはす池、右手からは大きな樹木が散策路を覆うように枝を伸ばしています。はす池にはコイがたくさんいて、カメもいます。コイが寄ってきますし、カメも泳いでいたり、岩の上で日光浴をしたりしています。
ハス池を過ぎると、左手が「春の草原」とよばれる野原になります。春はナノハナ、秋にはコスモスが咲き、小川が流れる美しい草原です。最初の分岐では大きなしだれ柳が見えます。ここは右に行きます。左に行くと休憩所ですが、そこは帰りに寄りましょう。
次に真ん中にネムノ木がある分岐を右に行きます。ネムノ木の向こうにあし原湿原が見えます。湿原にアシが広がり、春はアカガエルが鳴き、野鳥の隠れ場所にもなります。初夏はホタルやトンボなどの姿も見られます。
木の橋を渡ると「わたしたちはほたるです」の案内板があり、ホタルの住み家と生活を紹介しています。
ホタルの案内板を右に見て真っ直ぐ進むとすぐ左手に「上の池」があります。沼地のような所ですが、ホタルの住み家でもあるようです。
さらに進むと休憩所とトイレがあります。この休憩所の近くの竹垣の外には大きなムクノキがあり、休憩所とトイレの間にシラカシの大木があります。幹回りが2mを超える大木ですので見上げてみましょう。コースはここから元のホタル案内板まで戻ります。
このアシ原湿原が終わる十字路では右に曲がり炭焼き小屋方面、花木園に向かいます。まず水車小屋があります。この水車は実際に水の力で回っています。小屋の中には挽き臼(ひきうす)が一つと搗き臼(つきうす)が二つ水車の力で動いています。この公園の周辺でも昭和30年ごろまでは多くの水車が使われていて、揚水・精米・製粉・わら打ちなどの作業に利用されたそうです。
さらに進むと炭焼き小屋があります。実際に炭焼きが行われるときには見学できるそうです。炭焼きは里山のコナラ・クヌギ・ヤマザクラなどを伐採して炭を作って利用するとともに、里山の雑木林を更新することにも役立っていました。 この炭焼き小屋の周辺が花木園です、炭焼き小屋の前は梅林になっており、周囲にはヤマザクラ、ウワミズザクラ、ソメイヨシノなどの桜、マンサクやミズキなどがあります。
炭焼き小屋付近で折り返し、来た道を帰ります。先ほど右に曲った所(アシの案内板)で右に行き、石の橋を渡ると休憩所とトイレがあり、自動販売機もあります。トイレと休憩を済ましたら、トイレと休憩所の間を少し進むとしょうぶ園があります。梅雨の時期になると、深い緑に囲まれた谷戸に約4,500株のハナショウブが咲き競います。菖蒲田の中に板張りの散策路があり、ショウブを身近に見ることができます。
しょうぶ園
ホタル案内板のところで右に行くとあし原湿原をバックに休憩できるベンチが設置されています。
アシ原湿原を左に見ながら進むとアシの説明板があります。アシは「悪し」につながるとのことから、逆にヨシ(良し)とも呼ばれます。鳥や水棲植物の住み家や隠れ家になり、環境を維持する大切な植物です。古来より葦簀(よしず)や葦舟、茅葺き屋根の材料に利用されてきました。古くは日本の事を「瑞穂の国」や「葦原の中つ国」といっておりました。古事記に記されている古代には日本はアシに覆われていたのかもしれません。
北口エントランスです。中山駅から四季の森公園プロムナードを歩いて15分ほどで到着します。カツラの木が2本、ハート形の葉でお迎えしてくれます。
右側に管理事務所とビジターセンターがあります。
公園マップなど情報を入手しておきましょう。
アーチをくぐると北口広場です。正面にある池がはす池です。左に見える橋がほたる川橋で、コースの終りにはこの橋を渡って北口に帰ってきます。
蛍川橋を渡って左に行くと終点北口です。管理事務所の近くには自動販売機とテーブル・椅子がありますから一息ついてください。
休憩所に戻って自動販売機の横の道を春の草原を左に見ながら進みます。春の草原の向こうには先ほど下をくぐったしだれ柳が見えます。右手は里山の森です。やがて左手ははす池になり、蛍川橋につきます。
草原と森の間を行く
春の草原の向こうのしだれ柳
蛍川橋
自動販売機の横の道
蛍川橋を背にして立つと小さな「里山花壇」の案内板があります。里山花壇は10数年前にコナラ等の落葉樹を伐採したエリアで「里山林」と呼び、ヒトリシズカなどの自生の絶滅危惧種やこの公園からは消えてしまい県内の野山でも数が減少している野草(カタクリ、エビネなど)を人工植栽して自然を学ぶ野生植物園の機能を持たせて「里山花壇」と呼んでいます。小さな案内板ですが、見落とさないように読んでいってください。